近年、知的財産権の質および量によって、国の競争力が左右されます。わが国の競争力を強化し維持するには、社会資本としての知識を集積し高度化したうえで、さらにそれらを実用化することが重要です。
大阪大学の世界に注目される最先端の研究成果を、単なる研究成果に終わらせず、一般社会において幅広く利用可能な製品あるいはサービスとして結実させることが日本の経済発展に欠かせないと考えます。
そのためには、優れた研究者に対する、市場ニーズ、競合技術、開発リードタイム、知的財産権の保護、販路の開拓、資本政策、税法、等々の多種多様な観点からの専門家の起業支援が必要です。
NPOは利益を追求するのではなく、事業化にコミットし成功体験を共有することと、それによって地域経済を活性化させることに、存在意義を見出しています。すなわち、素晴らしい研究成果が社会利用され、それらを開発した起業家たちが成功報酬を受け取って、新たな開発への挑戦ができるようにすることを目指します。
こうした理念を大阪大学の先生方に相談したところ、多くの賛同を得ることができました。大阪大学から多くの起業家が成功することを支援すべく、大学同窓会を中心に、特定非営利活動法人「おおさか大学起業支援機構」を設立いたしました。
平成14年10月
NPOおおさか大学起業支援機構
代表理事 篠原祥哲